【自己啓発】知性を磨く「スーパージェネラリスト」の時代
田坂広志さんの著書を久々に読みました。
内容は、この変化の多い時代に「どう生きるか」「何が必要か」を示された本。
テクニック的な物は何も無く、丁寧に言葉の定義であったり理由であったりを
説明してくれる本で、非常に勉強になったし気づかされる事も多かったです。
示唆に富む本だけに、簡単にまとめる事が非常に難しいですが
特に自分の心に残った部分を抜き出して備忘録と致します。
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①「知」に関わる言葉の定義について
「知能」とは、「答えの有る問い」に対して、早く正しい答えを見出す能力の事
「知性」とは、「答えの無い問い」に対して、その問いを、問い続ける能力の事
「知識」とは、「言葉で表せるもの」であり、「書物」から学べるもの
「知恵」とは、「言葉で表せないもの」であり、「経験」からしか掴めないもの
「知性」の本能とは、「知識」では無く「知恵」である。
「知性」とは、容易に答えの見つからぬ問いに対して、決して諦めず、その問いを問い続ける能力の事。
〈所感〉
非常に腹落ちしました。物知りで仕事も早いが、出世のみを考えて動く人。
若くて勢いだけだけど、色んな人に話を聞いたり動いたりしている人。
後者に魅力を感じるのは、正に「知性」を感じるからに他なりません。
②スーパージェネラリストに必要な「七つのレベルの思考」について
専門家(スペシャリスト)は、もう十分にいる。
我々が本当に必要としているのは、それら様々な分野の研究を「統合」する
「スーパージェネラリスト」だ。
それは様々な専門分野を、その境界を越えて水平的に統合する「水平統合の知性」を持った人材の事である。
それに必要なのが「7つのレベルの思考」であり、レイヤー階層の高い順に
「思想」「ビジョン」「志」「戦略」「戦術」「技術」「人間力」に分類される。
これらを垂直統合する事で、結果的に異なる専門分野であっても、水平統合できる知性を身につける事が可能となる。
〈所感〉
思考のレイヤーを、これほど細かく分けてくれた分析は初めてでした。
これら7つはバランスを取る必要があり、偏るとダメ。
自分で限界を作る事無く、全て意識的に上下させながら成長させていく事が必要、との事。
現場のサラリーマンだと、ついつい「戦術」「技術」「人間力」にとどまりがち。
意識を持ち続けようと思います。
③「未来の変化」への対応について
我々は、未来の「具体的変化」を「予測」することはできない。
しかし、未来の「大局的変化」を「予見」することはできる。
例えば、水は必ず低い所に流れる。そうした大局観による「予見」は可能という事だ。
物事の変化・発展、進歩・進化においては古く懐かしい物が、新たな価値を伴って復活してくる。
それが「螺旋的発展の法則」である。
〈所感〉
この点も目から鱗。仕事を行うにあたり「何の事業を、どう動かすか」という点で未来予想は必ず求められます。
その時に、私はいつも苦心していました。確実で無い事を話すのは、最も苦手な事なのです。
しかし過去の事象や大局観から「予見」は出来るのだと気づきました。
むしろそれを行わないと、結果的に大きく外れた事を行ってしまう、という事も。
④「知識」の陳腐化と「知恵」の重要性
知識社会とは、実は「知識が価値を失っていく社会」。
ネット革命は「知識社会」というものを加速していくが「言葉で表せる知識」は急速に価値を失っていく。
代わりに「言葉で表せない知恵」が評価を高める事になる。
〈所感〉
社会人になり勉強しようと思うと、つい「知識」を増やそうとして、ノウハウ本や資格に手が伸びがちです。
しかし、それらはネットや交通インフラの発達により、容易に獲得できるものとなっています。
それよりも、自分が仕事やプライベートで築き上げてきた「知恵」を如何に言語化し
内省して深めるか、またそれを仕事でアウトプットと出来るかが如何に大事な事かを痛感しました。