Web広告(レップ)のマーケティング社畜の備忘録

日々のニュースや雑感を備忘録的にまとめます。

【雑感】小売りは"物売り"では無い!”コト売り”であって欲しい

ユーザーの経験向上が大事!自分達の売り物を正しく定義しよう!という話

皆様は結婚式に出る際、マナーと言われている【ダークスーツ】をお持ちだろうか?

まぁ、一般的な社会人であれば仕事着としても持っているだろう。

私は業務上、私服勤務が許される為、スーツを持っていない。

正確に言うと、セットアップやグレースーツ等、一応仕事でつかえるものはあるが

ダークスーツは一着も持っていない。(胸を張って言う事では無いが…。)

ただ30歳を目前にして、流石にマナーを守らないと、相手方にも迷惑がかかるかなぁ…

と思い、本日久々に(数年ぶり?)にスーツを購入した。

 

前置きが長くなったが、これが洋服の青山でスーツを購入したキッカケである。

こんな動機なので、正直ダークスーツであれば何でもよかった。30分位で帰りたかった。

にも関わらず、スーツの購入を決意してから、約30分程度も”値引き”を餌に様々な提案を受け、辟易してしまった…。

その内容を以下に簡単にご紹介する。

 

①2着目半額セール

これは皆さまもご存じだろう。常にやってるんじゃないか?と思うセール手法。

スーツやコート等を一緒に購入すると、価格が安い方が半額で購入可能、というもの。

私はダークスーツ以外は全く不要だったのだが、店員の方が「買う買わないは置いといてとりあえず…」というので断りきれずに試着してしまった。

この辺り、30分で購入するんだ!と言いながら押し切られる気の弱さも大問題。

途中、ピーコートを持っている事を伝えたのだが「カジュアルすぎる」とカラーコートを引き続きお勧めされる。せめて予算感位聞いてくれ…。

これで10分程度拘束されてしまった。

まぁこの方法は、大々的に知られているし良いかな、と。

どちらかというと、実は余りお得でない事の方が問題かと思おう。以下、計算式。

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①A:49,800円→39,800円とB:59,800円→49,800円 の服を"別々に"2着購入する場合

※多くの服が上記の様に1万円引きだった

 合計:A39,800円+B49,800円=89,600円

 

②A:49,800円→39,800円とB:59,800円→49,800円 の服を"一緒に"2着購入する場合

 合計:A24,900円+B49,800円=74,700円

 となる。実は半額は、単品購入の"値引き前"に適用される様だ。

 その為上記の場合、商品Aの実際の値引き率は「約37.4%」となる。

 ①全体に対しては16.7%の割引率だ。

 これが業界的にどうか?は分からないが、2点目1,000円等のセールもしている事を考えると文言通りのお得感は感じられない…。

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②カードを作ると〇〇円+ptバック

まぁ、これもどこの店舗でもやっている事。だが、説明が長い…。

初年度無料・翌年から年会費がかかる様だが、なんと翌年以降に年会費以上の商品券やサービス券がもらえるらしい。

それに加え、今回もキャッシュバックあるんだから是非!という話だったがカード複数所持が嫌なので断った。※今回は2000円程度のキャッシュバック

しかし、とにかくポイントが多いイメージだった。カード会社と解約率or継続率のコミットでもしているのか…。

 

③ポイントカードの登録

カードを断ると、ではポイントカードをとの事で用紙とペンを出された。

これも断れば良かったのに、押し切られる(略)

これが本当に面倒臭かった。QRコード→空メール→登録完了 だと思いきや、店側が決めた番号を登録しろだの、サイト内のQRコードを見せろだの(500円割引らしい)なんでこんなにユーザーの事を考えてないのか…疲れ切った。。。

私は割引を求めて来たのではなく、スーツを買いに来たのである。

 

④青山アプリのDL

一連の作業が完了すると、更に「アプリをDL頂くとゲームにチャレンジして結果に応じた割引がされる」とご紹介。

もういい加減にして欲しかったが、業務上アプリはチェックしておくか…とDL。

おい、結構重たいじゃねえかこのアプリ。月末に無駄通信したくねぇよ…。

で、アプリ内でも様々な個人情報を入力させられる。こんなもん、さっきのポイント作った時の情報と紐づけてくれよ…。さて、ようやくアプリのホームに辿り着いた。

店員の方「青山のWi-Fiスポットに切り替えて下さい。そうするとゲームが出来ます」

くぉぉぉぉらぁぁぁぁぁ!!!!ざっけんなぁぁぁあぁっぁ!!!

俺でもクソ面倒くさいのに、それ40代以上にお願いしたら混乱しか招かんぞぉぉぉ!

早く会計したいんじゃぁぁぁ!!!で、結果300円の割引。

ここでようやく会計が出来た。本当に疲れた。

⑤謎のくじ引き

この時点で疲労感が凄い。ちなみに、③でサイトのQRコードを表示させっぱなしにして、この時にかざす。ブラウザバックしたらどうすんだ…。

解放される…と思った私の前に謎のボックスが出現。

店員の方「一枚お引き下さい」

何なんだ…まだあるのか…。ボックスの中めっちゃ見せてくれるけど、殆ど一緒じゃないか?

店員の方「次回来店でワイシャツ等が〇〇円割引きになります!また、ここにある番号で抽選が出来ます。当選番号は店頭発表なので、お近くにお越しの際は是非!」

…ここまで来て、なおも割引を押してくるのか…とっくに私のHPはゼロである。

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私はスーツを買いに来たのである。気づいたら、刻みに刻む割引攻勢にあっていた!

何を言っているかわからねぇと思うが…状態だった。

青山商事の狙いは分かる。個人情報の収集とコンタクトポイントを作り(③・④・⑤)来店を促す事で、店頭でアップセルをする(①)という事だろう。

実際、接客を受けていて接客の強さはかなりのレベルだと感じた。個人的には苦手だが。

「来店してもらえば、売上に出来る」という自信があるのだろう。ただ、その為の施策が値引きだけであり、またユーザーの事を考えない施策で情報を集めるのは「ユーザーに対してスーツという"モノ以上を売る"」次元にはいけないと思う。

いつまでたっても、競合他社との価格勝負+来店→営業力での客単価向上のループになる。

少なくとも、私は店頭に行きたいと感じなくなった。行きたく無いとすら感じている。

広告にも通じる事だが、常に「ユーザーファースト」。ユーザーありきで導線や商品を考える事が重要だなぁ、と痛感した経験だった。