「プロジェクトマネージャー(プロマネ)」という誰でも出来るけど、誰でも成功させられる訳じゃない仕事
4月から業務内容が変わり、いわゆる「プロジェクトマネージャー」を主に担当する事が増えました。
といっても、それ以前もWebメディアの担当者をしていた訳で、業務のフレーム自体は大きく変わらないけども。
そして2か月がたち、自分の中でぼんやりとですが「プロマネ」の形が見えてきました。
最初は”誰でも出来る潰しの効き辛い仕事”と思っていて、それは今も変わりません。
”成功させられる”という条件を満たすには何が必要か?と考えると、その要素も見えてきました。
以下、自分が2か月で感じた事を備忘録的に書こうと思います。
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【誰でも出来る"プロマネ"要素】
①専門的なスキルが必要ない
プロマネとは、Wikipediaでは以下の定義で書かれています。
プロジェクトマネージャ(英: project manager)とはプロジェクトの計画と実行に於いて総合的な責任を持つ職能あるいは職務である。
計画と実行について"責任"を持つのであって、自分が全てを行う必要はありません。
その為、システム構築等の専門スキルを有する必要は無く、プロフェッショナルをまとめ上げられれば良いのです。
なんという抽象的なスキルでしょう…。
②どんな業界にも存在しており、希少性が無い
①にも関連しますがスキルとしての参入障壁が低い為に、どんな職種であっても存在する役割です。
転職市場において「プロマネ」の経験程、ありふれているスキルは無いんじゃないかと思います。
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この二つが僕が当初から感じていた事であり、現在も感じているプロマネの汎用性だと思います。
とはいえ、優秀なプロマネとそうでは無いプロマネが存在します。その差は何でしょうか?
僕は以下がそれにあたると思います。
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【成功を導くプロマネになる為には】
①プロジェクトの優先順位を関係者全てに合意・理解させる事
急に個別具体的になりますが、この事項だけでもプロジェクトの混乱・遅延を防げると思います。
プロジェクトを進める中で、往々にしてトレード・オフの判断をしなければならない事態に直面します。
その際、毎度毎度「何を優先すべきか」を検討している様では、時間の無駄です。
全ての関係者が、優先すべき事項を共有しているからこそ、無数に発生する判断を正しく・素早く導く事で
プロジェクトの成功と納期遅れを防ぐ事が出来ます。
案外、この点をナァナァにして進めている事が多いと思います。
②プロマネは無知である事を理解する一方、あらゆる前提を疑う事
プロマネは何の専門性も無いので、専門性を有する各メンバーへのリスペクトを忘れず
自らの判断で決定をするのでは無く、情報を共有した上で意見を求めなければいけません。
自分の判断だけでは必ず抜け漏れがあると認識し、専門性の高いメンバーから有益なアドバイスをもらいましょう。
※最終判断は、ビジネス観点含めてプロマネがすべき
一方で、メンバーは近視眼や業界の常識にとらわれがちです。無知なプロマネからは「なんでその前提なんだ?」「なぜこう決まってるんだ?」と感じるポイントもあります。
しかも、そこがボトルネックであるならば、そのまま進めるのでは無く「改善余地は無いか」を納得できるまでヒアリングしましょう。
特に業界が長いメンバーは、慣習や思い込みで決めつける事が多く、関係者同士で調整したり代替案を提示する事で
ボトルネックの解消になる事が多々あります。
"無知だからこそ、アホなふりをして聞く" 非常に重要なスキルだと思います。
③事前に徹底的なリスクのパターン出し+共有を行う
プロジェクトにおいてトラブルはつきものです。想定外の出来事も良くおきます。
その前提で、しかしながら徹底的に事前のリスク出しは行うべきなのです。
シミュレーションをしていれば、不慮の事態が起きた際も落ち着いて対応ができますし、その覚悟をする事が出来ます。
最も避けるべき事態は「すみません…こんな事が起こるとは…」という事です。
あらゆる事態を想定し「確率は低いが、こういうリスクは想定される。対応はコストがかさむので見送るが、万が一の事態ではこう対応する」という事を関係者に周知する事で
トラブルが発生しても「事前に検討してくれていて助かった」とプロマネの評価はあがります。
こうしたきめ細かい対応が、関係者に「安心感」を生む。それもプロマネとして必要なスキルだと思います。
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長々と書きましたが、プロマネに求められる最も重要なスキルは「信頼性」だと感じます。
それがあればチームメンバーも受発注先も、プロマネを信じて最大限の結果を出せる。
上司の管理コストも低くなり、結果的に裁量権をもたせてもらえる。
まだまだ半人前ですが、そういうプロマネになれるよう、日々精進します!