【マーケティング】コンテンツマーケティング27の極意
最近、また良く聞くようになった「コンテンツマーケティング」について書かれた本。
良くありがちな事例本では無く、理論としてある程度体系化されている為、面白く読めました。
このコンテンツマーケティングの考え方によって作られたコンテンツ〈中身〉を、枠としての意味でのネイティブアド〈入れ物〉に掛け合わせたものが、本当の意味での〈ネイティブアド〉だという解釈です。
以下、感想。
「広告が効きにくくなった」と言われてから久しいです。
しかし、それは広告を行う側の見方で、ユーザーに目線を移した時には、異なる見方が出来ます。
「ユーザーは役に立ったり、面白いといった〈有益〉なコンテンツを求めている」という事です。
それが、広告であろうが素人が作ったものであろうが、関係はありません。
つまり、企業側がユーザーにアプローチを行うのであれば「素晴らしい、継続性のあるコンテンツ」を提供する必要がある、というのが本書の前提です。
加えて、そのコンテンツを「ユーザーが求めるタイミングで簡単に発見されなければならない」とも言っています。
情報の〈有益性〉と〈見つけやすさ〉を突き詰める事が、コンテンツマーケティングの成功に結びつく、という事です。
コンテンツマーケティングは、直接的な販売に結び付く事もありますが、見込み客へとステージを成長させる事に、大きな価値があると思います。
そうする事で、従来のWeb広告にありがちな「焼き畑農業」的手法では無く、「農耕手法」とでも言うべき、育てて刈り取るというサイクルを回し続け、長期的なユーザーコミュニケーション戦略が取れるのだと感じました。
なお、本書では、概念の話と技術的な手法(ツールの説明)が書かれており、後者については実際に手に取って確認頂ければと思います。
※メディア(SNS~wiki等)や、SEO対策の際に利用するツール等、コンテンツマーケティングを考える際に必要なツールを横断的に紹介しております。
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■コンテンツを作る為には?
・誰に向けてそのコンテンツを作ろうとしているのか、を”深く”考え、決める事
ペルソナを作り、ターゲットとするユーザーの日常や接触するメディアをイメージできる様にする。
また、現在のユーザーがネット上でどういった会話をしているのかを注視し、どういった情報をどういった頻度で語っているのかを発見する。
・ユーザーに有益かを考える。
エンターテイメント(楽しい)や、知識の提供・教育型(為になる)、または実用的(役に立つ)なコンテンツ、といったユーザーに有益なものを提供する。
提供する形は、文章や動画だけでなく、コミュニティやメルマガの運営等、ターゲットとコンテンツ内容について最適なものを選ぶ。
こうした取り組みは、顧客の企業・ブランドに対する信頼感を高める。
また有益なコンテンツを作り出す事は、検索上位に友好的な情報を表示させる事になり、ネガティブな声に対する対応策にもなり得る。
・コンテンツのアグリゲーション(収集)とキュレーション(選別)
ターゲットが求めているテーマや基準にそって、コンテンツを発見・収集・選別を行う事である。コンテンツマーケティングのアプローチとして、全てをオリジナルコンテンツで固める必要は無い。(実際、コンテンツマーケティングに取り組んでいる企業の73.6%が、オリジナルコンテンツの制作に課題を感じている)
顧客の求める情報に対し情報は溢れているものの、適切に絞り込めなかったり、効率的に辿り着けないのであれば、このツールを提供する事で手助けができる。
・コンテンツを使いこなす技術を高める
Webの世界には、多くのユーザーが集まるメディアが多数存在する。
それぞれのメディアには、独自の文化があり人々の振る舞いは異なる。
当然、どのメディアを選ぶかでアプローチ方法は変わってくる。
・ユーザーからの疑問/クレームは、コンテンツを作り出す元になる!?
カスタマーセンターを設けている企業であれば、日々ユーザーからの質問事項が蓄積されている。
誰かの疑問は、別の誰かの疑問かもしれず、ニーズがありそうな質問は回答と共に提供する事で、有益なコンテンツになる。
また、カスタマーセンターだけでなく、twitterやfacebookには多くの疑問やクレームがあり、それに答えていくという手法も有益といえる。
・ユーザーにコンテンツを作ってもらう
情報発信内容のコントロールを放棄する事になるが、一方でユーザー作成の情報は信頼度が高く、またコストも低い。
スターバックスは、「Myスターバックスアイデア」でユーザーから投稿された内容を商品開発に活かしている。
そうした対話が、結果的に信頼度の向上につながっている。
・コンテンツのネタは、自社の現場に落ちている
伝えたい商品/サービスに最も詳しい人間は、それに携わっている現場の方々である。
彼・彼女自身が発信者となり、自分達の言葉でストーリーを語る時、それは立派なコンテンツとなる。その際、注意すべきは売り込みの言葉では無く、あくまでユーザーに有益な情報を伝える事を意識すべきだ。
■見つけてもらう為には?
・SEO対策の重要性
ユーザーが何かを知りたい/行動したいと思う時、まず行う事は〈検索〉である。
その時に上位に表示されなければ、以下に優れたコンテンツを持っていようとも、意味が無い。
まずは「何のキーワードで見られたいか」を考え、設定する事が重要である。
※SEOについて詳しく知りたい場合、本書でなく専門書がお勧め。一部誤りのある記述もあります。(SNSのリンクがSEOにも少なからず効果的、等)
・プレスリリースの重要性
従来の、事実を1~2ページの紙に書かれたリリースをメディアに送る方法は、効果が薄くなった。
重要な事は、「殻となるメッセージと、それを強化するストーリー」を語る事である。
そのメッセージを、対ユーザーに直接(適切なタイミングで)伝えたり、SEOで検索される様にして、目に留まらせる事が必要である。
・コンテンツの配布と普及
コンテンツを作って終わり、では無く広げる為の努力を欠かしてはならない。
新たなユーザーに見てもらう為、出版物やブログにゲストとして寄稿をさせてもらったり、各種ニュースサイトへの掲載を依頼する必要がある。
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