Web広告(レップ)のマーケティング社畜の備忘録

日々のニュースや雑感を備忘録的にまとめます。

【Web】ウェブとはすなわち現実世界の未来図である

題名ではどういった内容の本なのか、イメージし辛いですが
乱暴に言ってしまえば

「ウェブ文化がリアル社会にも影響を与え、よりオープンな世界を作る」という本です。

まだまだリアル社会とネット世界の間には、溝が多いと思います。
それは、互いの文化差や商慣習の違いが大きいですが
バランスを取る事で、新たなビジネスモデルや価値を作り出すチャンスです。

では、ネットが入ってくる事で今の世界はどの様に変質し
また、未来はどうなっていくのか。

以下に書評としてまとめてみました。
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Web2.0以降の世界変化について

〈情報受容の”質”変化〉


・情報の重要性はfacebook登場以降、「露出量」から「強弱」になった。
 それは個人別にカスタマイズされた情報で「信頼」「愛着」「共感」へと繋がっていく。
・情報は「フラット」では無く、発信者の信頼性に紐づく「強弱」を持つようになる。
 →結果として、自分にとって必要な情報であれば「情報があなたを見つける」世界へ変化した。
 →RSSの様に自分で定義せずとも、facebook/twitter/cookieデータでの行動を活用し、リコメンデーションされる。

 
〈個人は、何を受け取るかをデザインする〉


・キュレーション型の情報発信が増える中、"自分で情報をデザインする"という意識が重要になる。
・旧来の様に情報を押し付けられるのでは無く、自分のソーシャルグラフに誰を/何を紐づけるかを意識すべき。
・また、情報が断片化される中、それらを文脈の中で語る"キュレーター/編集者"の役割が重要になる。

※コメント※


Web上での「セルフブランディング」が重要になっています。
それは有名になるという事では無く、「こういう人間に見られたい」という振る舞いを行う事。
ページ閲覧履歴やシャアした記事内容等が、リコメンドに使われる為
著者の言う「人間中心主義」も課題は多いと思います。
簡単にフィルタリングできる仕組み、作れないでしょうかね。
例えば、家電量販店でPC購入やネット申し込みをした際に
数百円で任意(アダルト系や消金等が主かな?)のサイトや情報閲覧履歴を
残さない様なサービスをすれば、ニーズは高いと思うんですけどね。
そういった人達には、リターゲで鬱陶しい広告が出され続けるハズなので。

■「シェア」が生み出す新しい資本主義


〈ネットに広がる〝シェア〝の文化〉


・個人と個人が繋がるウェブの世界では、自らの資源を他者に無償で提供する"シェア"という考え方が普及している。
・評判経済/注目資本主義という考え方は、先に評判や注目を集める事で、後の換金化に繋がるという考え方。
 →リアル社会と異なり、複製可能なプログラムやコンテンツが多いウェブでは、初期の労力のみに目を瞑れば良い。

 

〈シェアが作り出す、新たな価値〉


・従来のビジネスでは、既得権益や資源を自社で囲い込む考え方が一般的。
 その結果、実際は使われていないものが多く存在していた。
・シェアの概念では、インターネットを介して余剰資源とそれを欲している人を繋げる事ができる。
 そこに新たなビジネスチャンスが生まれる。
・また"所有"に対する考え方も変化している。単純な所有よりも「必要な時に、必要なだけ」という考え方で
 カーシェアリングや空き部屋の賃貸が広がっている。
 更に、その貸し借りに物語性を付加させた「エアビー&ビー」等、価値自体が所有では無く「物語」に移っている。

 

〈シェア/オープンに必要な事〉


・参加者には「信頼性」が求められる。単純な性善説によって決められるのでは無く
 「誰が」という点を評価ポイントが、参加や活動の際に重要詩されるようになる。
・また、「何を」「どこまで」オープンにするかを自己で決める必要がある。
 そこにはプライバシーや倫理の問題もついてくる為、良く考え自己決定する必要がある。

 

※コメント※


元々、インターネットとは〈シェア/オープン〉の考え方で成り立っています。
そういう意味ではIT業界の人には当然の考え方かもしれません。
一方でマスメディアやメーカー等、著作権や権利が非常に複雑な業界からすると
あまりに異色な考え方で、自らのビジネスを毀損する様に見える為、今まではネットに反発がありました。
しかし、今やテレビ局にYoutubeが公式チャンネルを持つ等、かなり柔軟に対応がされる様になりました。
まだまだ業界一丸で、というよりも個別企業の取り組みにとどまっている為
コンソーシアム的に取りまとめ、推進する団体が必要だと思います。

 

■ウェブをコピーした社会が向かう未来


Googleグラス/3Dプリンター等、以前は不可能だと思っていた世界が、簡単に一般人の手に渡る様になった。
 それは、プロとアマチュアの垣根を簡単に越えられる時代という事である。
・また、1次産業と言われる今までネットが普及していなかった地域にも、ネットが広がる事で
 今まで出来なかった従事者への情報伝達を通じ、単なる作業者では無い新たな労働を提供できる。
・「人間中心主義」を考えた時、その解決策としてウェブ技術やウェブの考え方は、変革のキッカケになる。

 

※コメント※

 

作者はウェブ万歳!と言っているのでは無く、現実社会にある課題を解決したり、可能性を広げる際に
 ウェブの技術や考え方が生きてくる、と主張しています。
 確かに、PCやスマホだけでなく、ウェアラブルと呼ばれる身に着けるデバイスやIOT(Internet of things)が
 広がる事で、我々の周辺には常にネット接続され情報が飛び交う世界が待っています。
 その状況を否定するのでは無く、リアルの社会が抱えている課題解決に活かせられる様な活用が
 できる様に、ネット業界の方々(私含め)は取り組んでいきたいです。 
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