Web広告(レップ)のマーケティング社畜の備忘録

日々のニュースや雑感を備忘録的にまとめます。

【組織論】コネクト 企業と顧客が相互接続された未来の働き方

インバウンドマーケティングを日本で展開されている高広伯彦さんが、Facebookでチェックされていた?ので、購入しました。

 

書評

〈感想〉

ネット広告業界という、特に変化が速い業界で働いている為、腹落ちする部分が多かったです。

「現場への権限移譲」が必要というのは、良く言われる事ですがそれを体現する為の

組織作りに踏み込んでいたのは、今までに無かった本かと思います。

実際、本来共有していれば対応できた機会が、組織が異なる事で見逃してしまったり

権限が無い為、決済までに時間がかかり遅れた、という事は良くある話です。

 

また、「会社」で働くという事について、新しい観点ができました。

「会社」も一つのプラットフォームであり、従業員はその「参加者」として考えられます。

その為、プラットフォームとして参加意義があるという事を示さない限り参加者が減る事は明らかである。

それは、給料かもしれないし、仕事内容かもしれない。(ここまでは当たり前。)

その要素として【繋がり】が非常に重要になってくるでしょう。

これは、社内のみならず社外も含めた上で、です。

(社内連携の価値×容易性)+(社外連携の価値×容易性)=プラットフォームとしての繋がりの魅力

だと思います。

働く場所のメリットとして、上記は余り意識できていなかったですが

非常に重要だと思います。

 

また、この企業形態を支える上で重要な事は

明確なビジョンを持った企業で、共感してくれる人を如何に集められるか

だと思います。

世の中には、想像以上にビジョンが無い企業が多いと感じているので…。

逆説的には、そうしたビジョンの無い企業は、将来的に淘汰される運命なのでしょう。

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【なぜ組織は、従来の形から変化する必要があるか】

・ユーザー同士が繋がりあい、企業に対する要求や情報共有のスピードが加速している
・ビジネスの形態として”工業モデル”は差別化が難しく、”サービスモデル”が主になっている
・サービスは複雑且つ多様であり、顧客体験を主眼に置いている。
 一方、既存組織は効率性を主眼に置かれており、顧客体験の向上はコストとして扱われている。

→サービスモデルに対応する為の組織として”コネクト型企業”を提唱する。 

 

【コネクト側企業とは?】

・目的を自ら設定し、環境の変化を敏感に察知して、手段を自ら変更する。
 例えば、都市という組織はインフラ等のサポートのシステム管理のみを提供し
 そこで活動する人・企業は自ら目的を設定し活動する事で、結果として都市が成立している。
・この企業形態には明確な目的がある。それは利益のみで無く、加えて顧客が対価を 支払い満足できるものを提供する事である。
 そしてその内容は、日々変化をする為、常に顧客をウォッチし学ぶ必要がある。
・学ぶ為には、企業が実験を行い新たな物事をどんどん試し、適応する。

 

【コネクト型企業の働き方】

・コネクト型企業では、"ホラーキー"な組織が必要である。
 ホラーキー性を持つ組織は、個々の部分が同時に全体としてもふるまう。
 従来型の様に、A→Bという順番でしか物事が動かない事は無く、Aが無くてもBは稼働する。
・上記を達成する為には"ポッド"というアプローチが有効である。
 ポッドとは「小さく自律的で、顧客にとって価値のあるものを提供する権限を持ち、実際にそれが可能なユニット」である。
 企業がポッドで組織された状態(ポジュラー組織)は、各構成部分が独立した完全なサービスの集合体として成り立っている状況である。
・ポジュラー組織には、活動をサポートする「プラットフォーム」が必要である。
 それをベースにポッドが繋がり、学習の共有が多くのメリット/差別化を生む。
・加えて重要な事項に、原則我々は他者と繋がっている事(ソーシャルネットワーク)を認識すべきだ。
 それは、イノベーションと信頼関係の構築に直接関係する重要な事項である。
 プラットフォームは、繋がりの構築に重要な要素であり、参加者と依存しあう関係である。
 その為、運営には多様性を認めつつ、規範を設けバランスととる事が重要だ。

 

【コネクト型企業の指揮】

・戦略とは、可能な限りの選択肢を用意し、実験/検証する事から始まる。
 経営陣の役割は、実験結果の蓄積から、本当に大きな賭け(大方針の選択)を行う事である。
・本組織のリーダーとは、前線で起こっている事をつぶさに確認し、それらの活動をサポートし、また結びつける事である。
 そして、信頼関係を構築しつつ、組織としての方針を示し、適切な方向に構成員が動ける様にする。
・経営者は、組織の多様性を認めつつ、崩壊しない様にバランスを取る事が必要だ。
 組織の体温(熱すぎず、寒すぎず)や、自由度の調整がそれに当たる。

【我々の進むべき道】

・プラットフォームとして、魅力的なもので無いと参加者は現れず、崩壊する。
 一方で、設立して時間が経つにつれ、その文化は内側へ向いていき膠着化する。
・コネクト型企業の前提は"参加者が情熱を持って組織に参加している事"である。
 
 情熱を持った人々が、組織の論理ではなく、顧客の為に行うべき事ををスムーズに
 取り組める環境を用意する事が重要だ。
・まだコネクト型企業は少ないが、将来的には主流になるはずである。
 その為、変化が訪れるその前に、自ら変化する事が必要である。

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