Web広告(レップ)のマーケティング社畜の備忘録

日々のニュースや雑感を備忘録的にまとめます。

プラットフォームの再分配モデルが流行の兆し?

本日、以下のニュースが目に留まりました。

経済ニュースアプリ「NewsPicks」が有料配信を開始、課金モデルにした狙いは? - 誠 Biz.ID

 月額1,500円を支払えば、以下のメディアで有料提供されているニュースが読み放題、との事です。

2月12日には、月額1500円の有料購読プランを開始。登録をすれば、週刊東洋経済週刊ダイヤモンドダウ・ジョーンズ(Dow Jones)、Longine、薬事ニュース、日刊自動車新聞、日刊鉄鋼新聞、日本食糧新聞といった8つの経済媒体が雑誌や新聞で掲載している記事をNewsPicksでも読めるようになった。 

 比較的ユーザー層が多いと考えられる東洋経済は、雑誌の電子書籍は600円、週刊ダイヤモンドは690円という事で、この内容が全て読めるのであれば非常にお得。

と思い良く読むと、ダイヤモンドは”厳選記事”が読める様です。全てじゃないのね。

東洋経済は全て読めるみたいです。このあたりは、雑誌を主戦場とするダイヤモンドと、Webのマネタイズを進めている東洋経済との差でしょうか。

 

この記事では、特にマネタイズについて詳しく書かれていませんが、どういった分配モデルになるのでしょうか。

1つは、各メディアに定額を支払うモデル。2つは、PVやUUの比率に応じて再分配うするモデル。

プラットフォーム側にとって前者はハイリスク・ハイリターンで、後者はローリスク・ミドルリターン?という感じでしょうか。売上が少なくても、一定の金額は入ってきますし、課金額が少ないからといってメディアへの支払いの方が多くなる、という事はありませんので。

後者は、auスマートパスやdocomoスゴ得といったキャリアサービスでもとられている手法ですね。

Webサービスは体力の無いベンチャーも多く、一方でデジタルでのマネタイズを行いたい既存メディアとの組み方として、今後増えてくるモデルでは無いでしょうか。

ネイティブアド広告とは、結局何なのか?

仕事でメディアを運営しているのですが、マネタイズ手段としての純広告が本当に売れなくなっています。

業界の人からすると当たり前ですが、殆どのメディアが〈量〉を強みとするアドネットワークへの参加をしています。

この流れ、買う側からすると「枠買い」を目的とした場合では嬉しい事だと思います。

実際、CPC(1クリックあたりの価格)が20円~30円が当たり前と、純広時代では考えられなかった価格に下がってきています。

一方でクリックが各メディアに分散し、その量を確保しようとするとクリック単価を下げる設定が必要で、結果的にメディアに入ってくるお金は減っています。

 

その流れの中、注目されているのが「ネイティブアド」という広告の形です。

アメリカのメディアではこの広告形態に、伝統的な新聞社のNew York Times、Washinton Post、Wall Street Journalから、新興のバイラルメディアであるBuzz Feedまでが取り組んでいます。

 

このネイティブアド、日本でもバスワード化しておりますが、実は明確な定義がされておりません。定義がバラバラすぎて、かなり混乱します。

実際、アメリカでも下記のようやくその定義について、まとめる動きが始まったそうな。

バズワードとして米国のネット広告業界では認識されてきたが、その定義や目指す方向は立場によって異なっている。そこで米インターネット協会(IAB)も定義を固める必要に迫られ、先ほどネイティブ広告のタスクホースを設立したばかりである。*1

以下に、述べられている定義の種類を書きますが、ポイントとしては

①広告枠の形態を指しているのか?

②広告枠とその先の内容を含めた事を指しているのか?

の2つかと思います。

■ネイティブアドとは何か?

iMediaConnectionによると、ネイティブ広告は、“ユーザーの消費体験にシームレスに統合するようにデザインされた広告ユニット”として定義されている。*2

→①広告枠の形態を指していますね。 

「ユーザーがいつも使っているメディアもしくはサービスの中で、自然になじむデザインや機能で表示されるペイドメディアの一種」

と定義されていました。*3

→こちらも、①広告枠の形態を指していますね。

ネイティブ広告の特徴

(1)広告コンテンツはスポンサー(広告主)が独自に提供する。原則として、メディアの編集者は関与しない
(2)消費者が、メディア編集コンテンツと同じようなルック&フィールで、広告コンテンツ(スポンサー提供コンテンツ)にも接触できるようにする。ただし広告コンテンツには“広告”と明記する
(3)広告コンテンツは消費者(掲載メディアのユーザー)にとって役立ち、あるいは面白いものにする
(4)モバイル端末にも適応できるフォーマットにする 

*4

→これは、②広告枠とその内容についても定義しています。

 

という事で、どう定義すべきかが非常に難しいです。そこで、もう少し深く考えてみましょう。 

ポイントは「ユーザーと信頼関係を気づけるか否か」にかかってくると思います。

 
■ネイティブアドが注目されている背景

そもそも、従来のバナー広告が収益の方法として稼ぎ辛くなった、というのは前述したとおりです。

加えてユーザーからしても、どの場所でも同様の形で提供されているバナー広告は、目障りな物として認識される様になり「無視」される対象となりました。

一方、ネイティブアドはサイトコンテンツと同一フォーマットで、ユーザーに提供されます。

その為、ユーザーは意識的に「無視」しないで接触してくれるという事です。

一方でルールとしては「PR」という文言を付けるメディアが殆どです。

もし、「PR」がついているコンテンツの殆どが、ユーザーに好ましくないコンテンツだった場合、どうなるでしょうか?ユーザーが無視する様になるのは、時間の問題だと思います。

 

例えば、キュレーションニュースメディアGnosyはネイティブアドという名目で広告商品を提供していますが、そのリンク先は金融系広告主の売り込みサイトである事が多いです。

はたして、その広告はユーザーに「求められている」広告なのでしょうか。

■ユーザーとの信頼関係を築くネイティブアド

やはり、ネイティブアドは②の様にその内容も含め、議論すべきです。

ネイティブアドについて、有識者である高広伯彦氏は以下の様に述べています。

ネイティブ広告は単に広告の枠組みだけではなく、コンテンツマーケティングの観点も踏まえて考えなければなりません。なぜなら、ネイティブ広告が他の広告と大きく違うのは、「広告枠用の広告素材を作る」ということがほとんどなく、コンテンツのサマリーが広告として配信されるからです*5

コンテンツマーケティングについては *6に詳しく書いておりますので、ご覧下さい。乱暴に要約すると「ユーザーに役立つコンテンツを提供する事」です。

それをサマリーで提供できる広告。それが「ネイティブアド」。

 

掲載するメディアのコンテンツと同じ形式で、役立つ情報のサマリーを掲載する。

その先では、キチンとユーザーに価値ある情報を提供する。

ユーザーは、ネイティブアドに触れた時に「価値ある情報」の提供を経験できる。

そこに生まれるのは、メディアと広告主・そしてネイティブアドに対する「信頼感」です。

この形こそが、今まで無関心という関係にまで成り下がった「広告とユーザー」が目指す、新しい形では無いでしょうか。

 

勿論、コンテンツ自体を用意する事は難しい事で、広告主として新たな取組みになるでしょう。

しかし、現状のままでは誤クリックを誘発したり、PV至上主義になり低俗なコンテンツを大量生産するメディアと、とにかく広告効果を上げる為に煽り表現を多用する広告主、それにうんざりするユーザーという悪循環をとめる為の、新たな方法だと思います。

【マーケティング】コンテンツマーケティング27の極意

最近、また良く聞くようになった「コンテンツマーケティング」について書かれた本。

良くありがちな事例本では無く、理論としてある程度体系化されている為、面白く読めました。

このコンテンツマーケティングの考え方によって作られたコンテンツ〈中身〉を、枠としての意味でのネイティブアド〈入れ物〉に掛け合わせたものが、本当の意味での〈ネイティブアド〉だという解釈です。

以下、感想。

 

「広告が効きにくくなった」と言われてから久しいです。

しかし、それは広告を行う側の見方で、ユーザーに目線を移した時には、異なる見方が出来ます。

「ユーザーは役に立ったり、面白いといった〈有益〉なコンテンツを求めている」という事です。

それが、広告であろうが素人が作ったものであろうが、関係はありません。

つまり、企業側がユーザーにアプローチを行うのであれば「素晴らしい、継続性のあるコンテンツ」を提供する必要がある、というのが本書の前提です。

加えて、そのコンテンツを「ユーザーが求めるタイミングで簡単に発見されなければならない」とも言っています。

情報の〈有益性〉と〈見つけやすさ〉を突き詰める事が、コンテンツマーケティングの成功に結びつく、という事です。

 

コンテンツマーケティングは、直接的な販売に結び付く事もありますが、見込み客へとステージを成長させる事に、大きな価値があると思います。

そうする事で、従来のWeb広告にありがちな「焼き畑農業」的手法では無く、「農耕手法」とでも言うべき、育てて刈り取るというサイクルを回し続け、長期的なユーザーコミュニケーション戦略が取れるのだと感じました。

 

なお、本書では、概念の話と技術的な手法(ツールの説明)が書かれており、後者については実際に手に取って確認頂ければと思います。

※メディア(SNSwiki等)や、SEO対策の際に利用するツール等、コンテンツマーケティングを考える際に必要なツールを横断的に紹介しております。

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■コンテンツを作る為には?

・誰に向けてそのコンテンツを作ろうとしているのか、を”深く”考え、決める事

ペルソナを作り、ターゲットとするユーザーの日常や接触するメディアをイメージできる様にする。

また、現在のユーザーがネット上でどういった会話をしているのかを注視し、どういった情報をどういった頻度で語っているのかを発見する。

・ユーザーに有益かを考える。

エンターテイメント(楽しい)や、知識の提供・教育型(為になる)、または実用的(役に立つ)なコンテンツ、といったユーザーに有益なものを提供する。

提供する形は、文章や動画だけでなく、コミュニティやメルマガの運営等、ターゲットとコンテンツ内容について最適なものを選ぶ。

こうした取り組みは、顧客の企業・ブランドに対する信頼感を高める。

また有益なコンテンツを作り出す事は、検索上位に友好的な情報を表示させる事になり、ネガティブな声に対する対応策にもなり得る。

 ・コンテンツのアグリゲーション(収集)とキュレーション(選別)

ターゲットが求めているテーマや基準にそって、コンテンツを発見・収集・選別を行う事である。コンテンツマーケティングのアプローチとして、全てをオリジナルコンテンツで固める必要は無い。(実際、コンテンツマーケティングに取り組んでいる企業の73.6%が、オリジナルコンテンツの制作に課題を感じている)

顧客の求める情報に対し情報は溢れているものの、適切に絞り込めなかったり、効率的に辿り着けないのであれば、このツールを提供する事で手助けができる。

・コンテンツを使いこなす技術を高める

Webの世界には、多くのユーザーが集まるメディアが多数存在する。

それぞれのメディアには、独自の文化があり人々の振る舞いは異なる。

当然、どのメディアを選ぶかでアプローチ方法は変わってくる。

・ユーザーからの疑問/クレームは、コンテンツを作り出す元になる!?

カスタマーセンターを設けている企業であれば、日々ユーザーからの質問事項が蓄積されている。

誰かの疑問は、別の誰かの疑問かもしれず、ニーズがありそうな質問は回答と共に提供する事で、有益なコンテンツになる。

また、カスタマーセンターだけでなく、twitterfacebookには多くの疑問やクレームがあり、それに答えていくという手法も有益といえる。 

・ユーザーにコンテンツを作ってもらう

情報発信内容のコントロールを放棄する事になるが、一方でユーザー作成の情報は信頼度が高く、またコストも低い。

スターバックスは、「Myスターバックスイデア」でユーザーから投稿された内容を商品開発に活かしている。

そうした対話が、結果的に信頼度の向上につながっている。

・コンテンツのネタは、自社の現場に落ちている

伝えたい商品/サービスに最も詳しい人間は、それに携わっている現場の方々である。

彼・彼女自身が発信者となり、自分達の言葉でストーリーを語る時、それは立派なコンテンツとなる。その際、注意すべきは売り込みの言葉では無く、あくまでユーザーに有益な情報を伝える事を意識すべきだ。

 

■見つけてもらう為には?

SEO対策の重要性

ユーザーが何かを知りたい/行動したいと思う時、まず行う事は〈検索〉である。

その時に上位に表示されなければ、以下に優れたコンテンツを持っていようとも、意味が無い。

まずは「何のキーワードで見られたいか」を考え、設定する事が重要である。

SEOについて詳しく知りたい場合、本書でなく専門書がお勧め。一部誤りのある記述もあります。(SNSのリンクがSEOにも少なからず効果的、等)

・プレスリリースの重要性

従来の、事実を1~2ページの紙に書かれたリリースをメディアに送る方法は、効果が薄くなった。

重要な事は、「殻となるメッセージと、それを強化するストーリー」を語る事である。

そのメッセージを、対ユーザーに直接(適切なタイミングで)伝えたり、SEOで検索される様にして、目に留まらせる事が必要である。

・コンテンツの配布と普及

コンテンツを作って終わり、では無く広げる為の努力を欠かしてはならない。

新たなユーザーに見てもらう為、出版物やブログにゲストとして寄稿をさせてもらったり、各種ニュースサイトへの掲載を依頼する必要がある。

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schoo(スクー) これからのインターネットコンテンツ を見て。

Schoo(スクー) これからのインターネットコンテンツ

nanapiのけんすうサンの講義。

 

「発信者主体」が曖昧というのは、凄く大きなポイントだと思う。

元々、メディアは発信する事に対し責任を負い、また特色としてきました。

新聞も、各社の社説がありそれに賛同する人々が購入していました。

しかし今、その主体が曖昧になっており、例えば恣意的に選別された「まとめコンテンツ」で被害を受けた人が居た場合、その責任はまとめ主にあるのでしょうか。

それとも、2chtwitterで呟いた個々人にあるのでしょうか。

既にまとめサイトでの恣意的な情報の切り取り方には、批判も出ており、今後議論を深める必要があります。

 

一方でメディアとしては、情報の主体が複雑になり、何が正か分かり辛い状況の中で、情報を整理してユーザーに届けてあげる「ファシリテーターメディア」とも言うべき物が求められていると思います。

(個人的には、THE PAGEがそれに近いと思います。)

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・Webにおける情報発信の変遷

web1.0は、マスメディアの延長としての情報発信。つまり、従来のマスメディアがユーザーへ情報を伝える手段として、ネットを活用した。

Web2.0は、当時は非常にもてはやされた考え方で、情報発信の力がマスメディアから市民に移ったかの様に話されていた。

が、本質的には一部のネットユーザーが発信側に回ったという事であり、情報伝達の構造的には、発信側の人数が増えた、という事に過ぎない。

Web3.0は、情報"発信"のレベルでは無い「放電(特定の誰かに向けた発信では無いもの)」のレベルで、大多数の人間が話している。そして、それらをまとめたキュレーションサービスが台頭している。

Web2.0との最も大きな違い違いは「発信者主体」が曖昧になった事。

 

・無責任なメディア

Webメディアは【PV×CTR×クリック単価】の為、「以下に安く、PVが稼げるか」が主目的。

そうなると、記事品質は下がり(ゴシップや裏どりが無い煽り記事)、問題があれば逃げれば良い、というメディアが成り立ってしまう現状がある。

 

一方、nanapiの記事は"ハウツー"が主な為、爆発的なPVは無いが、継続的にPVが稼げる。

だいたい、月1,000PV程度あれば、それが3年続く記事であると仮定するとマネタイズが可能(300円/1記事)

 

・今後のメディアの稼ぎ方

①コストを上げても、収益が上がる仕組み

②コストを下げても、品質が下がらない仕組み

上記のどちらかを満たすメディアで無いと、Webメディア自体が崩壊してしまう。

 

・Web上で価値を持つであろうコンテンツ

情報のニーズ高低と、情報の深い浅いでマトリクスを切る。

情報が浅いけどニーズが高い(Facebookの退会方法等)もあれば、情報が深いけどニーズが無いものもある。

重要視すべきは、圧倒的に情報ニーズである。

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schoo(スクー) 3ヶ月でユーザーを100万人まで倍増させた!Retty流グロース施策 を見て。

Schoo感想 Retty流グロース施策

仕事でWebサービスの運営を行っておりますので、ヒントを学ぶ為にも急速に伸びているグルメ系ソーシャルサービス「Retty」の武田社長の授業を受けました。

感想としては「思い入れだけでサービスを行う事は非常に危険」という事です。

僕も、前任者から引き継いだサービスを運営する事がありますが、見直される事無く実施されているサービスが多いです。

まずは、リリース時に市場規模の調査とサービスリリースの判断基準を決める事。

リリース後は、期間を決めてスケールしなければ、サービスを閉じる事。

明確な判断基準を持っておく事が重要だと思います。

 

また、流入口の数値をキチンと取る事が重要。

その前に、多くの流入口から入ってくる様な導線を張り巡らせる事が重要。

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■池の大きさを考える

・どれだけのユーザー(非会員)はどれだけいるか?

 競合がいる業種であれば、ネットレイティングスを活用して、ざっくりしたUU/PVはわかる。

 単に人口統計や希望的観測から考えてはいけない。アプリDLユーザーはどれ位か?お店の店舗数は?といった現実的な部分を見ないといけない。

 

 

・見込みユーザー(会員)はどれだけいるか?

 業界の人でないと分からない為、有識者へのヒアリングが必要?Rettyの場合は、無料会員想定で約10%。

 

 

上記は分けて、それぞれで戦略を考える必要がある。

それを行わないと、実は小さい市場で殆どスケールの余地が無い仕事に取り組む事になる。成長性を決める部分でもある為、非常に重要。

 

■ソーシャルリーチ(収益化ユーザーへのリーチ手段)

・Reetyで重要視しているソーシャルリーチという手法

ソーシャルメディアを活用した会員獲得手法。FB・twitterポスト数×リーチ可能なフレンド数×プラットフォーム影響度により決まる。(FB/twitterで影響度は変動)

・会員獲得の流入経路を注視すべし

最近は、コンバージョンの流入口が多い為、どこの流入口を強化するかを考える事が重要。

Rettyは、全体会員登録数とソーシャルメディアからの登録数の相関が最も深かった為、ここを広げる事に注力した。

■スタート時のファンの増加方法

・グルメな人(メインターゲット)に使ってもらう事

余りお店に行った事の無い人が感想を書いても仕方が無い。

30歳代である程度金銭面に余裕があり、食べ歩きができるユーザーをターゲットとした。

それだけではなく、Retty社の社員も負けないレベルで食べ歩きを行っている。

環境作りとして、オフィスを半年位で移転し付近の飲食店を食べ歩く。

・ユーザー獲得の推移

10万人突破までに1年かかった。2年目で30万人。そこから急激に登録者が伸び、3か月程度で100万人を超える様な推移だった。

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家入一真さんの都知事選出馬に感じる、排他的空気の違和感

既に多くの議論がされている中で、自分の感じている事を残す意味でエントリーを。

〈肯定派〉

優しい革命のはじまり -東京都知事選を終えて-

家入一真の選挙キャンペーンをつくって感じたこと(前編) - 美味しいコンセプト | 美味しいコンセプト

家入氏のいう「ぼくら」には、「あなた」も入ってるんですよ

〈慎重派〉

イケダハヤト師 やっぱり「ぼくら」って排除の論理です 家入一真よ、「ぼくら」とは誰かを自分の言葉で語りなさい

家入一真と「死の谷」

若者の期待も虚しく、都知事選で「大惨敗」した家入一真氏が、今一番、考えるべきこと(片岡英彦) - 個人 - Yahoo!ニュース

 

選挙に対する手法的な批判等は議論をされている為、僕が外からみて感じていた違和感を書きたい。

 

結論から言うと「非常に内輪ノリが強い、排他的グループ」と感じています。

その根底に感じるものは「俺達は正しい。それが分からないお前達は、面白く無い」という雰囲気です。

 

■「東京をぼくらの街に」という違和感

家入さんが選挙後、書いたブログの中に以下の文章があります。

むしろそういう少数派こそが多数派になってきているのが今の日本、特に都市である東京が抱える課題です。だから今こそ、多様な価値観や生き方をお互いに認め合い、支え合える社会のあり方を考えなければならないと思うのです。 

 つまり、彼の言う”ぼくら”というのは、少数派の集団が、マイノリティとして虐げられる事無く、主権者として同一に声を挙げられる場、という事だと思います。

この理念自体は、素晴らしい事だと思います。一方で、出馬記者会見では、ネットをしていない人へのアプローチに対し、こんな事も言っています。

ネットに引き込めばいいんじゃ? ネットやらない人たちって、これから厳しいと思うんですよね。これを機にネットにくればいいんじゃないですかね。インターネット楽しいよって。 

 選挙に対し、距離を感じているユーザーには、インターネットというツールを使い、丁寧にアプローチするのに、そもそもインターネットを使わないユーザーには「楽しいよ」の一言で参加を促す。

これは、インターネットの非利用者を排他していると考えられても仕方が無いと思います。

(その後、"お年寄りなどのネットやスマホを使えない方とのコミュニケーションについても、改めて課題を感じました。"と振り返っている為、考え方に変化があったかもしれませんが。)

こういった背景から、「ぼくらの街」といいつつ「インターネット利用者の社会的にこぼれ落ちた人」を対象にしていた、というのが感想です。

 

■対等な目線の選挙活動という違和感

政治というのを一部の人のものにしちゃいけないと思うんです。

 上記は政見放送で話された中の一部分です。多くの人が、素朴な疑問でも良いから持ち寄って、自分達に身近な政治をしよう!という事だと思います。

その思いは、家入さんの「こぼれ落ちた人の居場所を作る」という意味からすると、理解できます。

だからこそ、既に政治力のある層との対立関係をあおる様な選挙活動を行ったのかが、違和感として残ります。

浮動層を取りに行ったとしても、そもそものターゲットが「こぼれ落ちた人」達なのだから母数が少ない。

その母数を増やす為にも、より他の層にも働きかける為のメッセージや手法が有ったはずです。

それこそ、家入さんの周囲には「こぼれ落ちた人」という「一部」の人しかおらず、言い方は悪いですが彼・彼女達は所謂「普通」のレールに乗れなかった人達なので、より理解を求める動きをすべきだったと思います。

 

■家入さん支持者の排他性の違和感

選挙なので、候補者が外部から色々と批評される事は当然です。

にも関わらず、高広伯彦さんや常見陽平さんにはtwitter等で支持者から激しいバッシングが飛んでおります。

これも非常に気持ちが悪く、今まで排除されていた人達に、家入一真という救世主が現れた。それを否定する人間は敵だ!と言わんばかりです。

支持者の方には社会人の人も勿論居ると思いますが、考え方が違った場合、議論を行い理解を求める事が必要です。

むしろ家入さん位、支持者の母数が少ない候補者であれば、批判は甘んじて受け入れ議論を重ねる事で、母数拡大に繋がるメリットしかありません。

それをいきなり排除する当たり、非常に勿体ない事を周囲がしてしまっていると感じます。

そうした動きが、益々彼らを孤立化させ、いつまでたっても目標である「ぼくらの〇〇」は実現出来ないのでは無いでしょうか。

 

僕はインターネット業界で働いている為、その楽しさは理解しています。

また、影響力もあると思います。一方で、インターネットはもっとオープンな場所で、だからこそ様々な意見を受け入れて議論する度量が必要だと思います。

今後も様々なアプローチを仕掛けていくと思いますが、内に向かうのではなく、外を巻き込んでいく動きを期待しております。

他人のフンドシで相撲を取りやすい時代

先日、こんなニュースがありました。

【マジかよ】Facebook やTwitter をすると思考力が損なわれることが判明 | ロケットニュース24

 

自分にも思い当たる節があるなぁ、と反省。

最近のWebニュースは、速報性を主とするニュースだけでは無く

ニュースに対しての見解を主とした記事も多く含まれております。

過去であれば、最も見られているであろうYahooニュースに掲載されているのは

新聞や雑誌からのフィード情報で、そこにあるのは事実を報じる記事が主でした。

 

それが、現在はBlogosやYahoo個人といった、著名人がニュースに対して意見を述べる

プラットフォームが多く出てきており、また人気を博しております。

そうなると、一般ユーザーのニュースに「期待」するものが変質してきているのかなぁ、と。

速報性から、そのニュースに対する賢い見方、みたいな物を求めていると思います。

他人のフンドシ(意見)で発言し、賢くなった気になる。

記事でも指摘している通り、考えるという行為に対して怠惰になっているのでしょう。

 

僕が感じるBlogosの長所は、「中立な立場のプラットフォーム」という点です。

右寄りの意見も、左寄りの意見も両方を載せているからこそ、多面的な見方ができます。

一方で、自分の頭で考えない人は、両極端な意見を見た時

「まぁ、どっちの意見もあるよね。」と、自分の意見を明らかにする事を

放棄する事もあると思います。(僕も良くあります。反省。)

それだけで無く更に悪いのは、意見が無いからこそ、自分の意見を持っている人に対し

借りてきた知識で批判を行う行為だと思います。

最近は、Web上でも様々な出来事に対し、議論が行われる為、どんな意見に対してでも

批判や指摘は行われます。

他の場所で同様の議論が行われた時に、さも自分の意見の様に発言・指摘して自己満足に浸ってしまう。

そうした事が容易にできてしまう環境にあるというのは、注意すべき点だと思います。

 

受信したニュースを流すだけでなく、また意見を眺めるだけでなく

「自分はどう思うのか?」という事を立ち止まって考えないと、簡単に考えなくなってしまいますね。